円安で株価が上がる理由と想定為替レート投資法

投資手法







ドル円などの為替と日経平均などの株価は連動していることが多いですが、その理由について考えてみます。

為替と株価の関係で最も顕著なのが円安になると輸出企業の株価が上がるという関係です。

なぜ円安になると輸出企業の株価は上がるのか?

円安になると輸出企業の株価が上昇しますが、なぜ株価は上がるのでしょうか。

その理由は具体的にみていきます。

例えば、車を海外に販売している輸出企業を例に考えます。

1ドル=100円の時に、輸出企業が日本円で1000万円の車をアメリカに販売したとします。

ドルに直すと10万ドルとなります。この輸出企業には10万ドルが入ってきます。

日本の企業は円建てで決算を行いますので、円に直すと1000万円の売上が計上されます。

円高ドル安の場合

1年後、為替が円高ドル安になり、1ドル=80円となったとします。

同じ様に車をアメリカに売っている輸出企業が、先の例と同じ車を販売したとします。

すると、今回は1ドル=80円なので、売上は8万ドル、つまり800万円しか日本円が入ってこない計算になります。

円安ドル高の場合

逆に1ドル=120円の時は同じ車を販売すると、1200万円が売上となります。

この様に同じ商品を販売していても売上が大きく変わってきます。

当然原価などコストが一定で、為替の要因のみで売上が変わるのであれば、売上-コストで計算される利益は大きく変化します。

株価は利益で動くので、円安であれば、売上が増え残る利益も増えるので必然的に業績が向上し株価は上がります。

この様に輸出企業は円安になると株価が上昇しやすくなります。

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2018.08.13

想定為替レートをチェックする

上場企業では、四半期ごとに決算を出しますが、毎回変動する為替によって売上が変わってしまうため、予想を為替の変動でつど変更させることが難しくなってきます。

したがって、大抵の会社は業績予想などを出す場合には想定為替レートを決定し、その想定為替レートを前提に今後の見通しを算出します。

想定為替レートとは

想定為替レートとは、海外展開している企業が売上などで為替の影響を受ける場合に、事前に仮定した為替の数値です。

この想定為替レートは、各企業にて、証券会社のエコノミストなどを招いてアドバイスを受けた上で決定し、そのレートで業績を算出します。

例えば、先日のトヨタ自動車などは、1ドル=105円を想定為替レートとして業績を計算しておりました。

直近では以下の決算書の様に想定為替レートを設定しています。

トヨタ自動車平成31年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)

業績予想はこの様に想定為替レートを前提に出してゆきます。

また、この想定為替レートは、決算短信や決算短信と同時にディスクローズされる決算説明資料に掲載されていることもあります。

想定為替レートとの乖離で上方修正を狙う

業績予想を出す場合は、想定為替レートを前提に予想を算出しますが、企業によってはこの想定為替レートに幅があります。

想定為替レートが実績と乖離している企業に注目

実際よりも厳しめに出している企業もあれば、見通しが甘い企業もあります。

当然、想定為替レートを厳しく設定しており、実際の為替が想定より円安ドル高方向に推移している輸出企業であれば、業績予想よりも実際の業績はよくなる傾向にあります。

業績が良くなれば上方修正も十分に期待でき、株価も上がりやすくなります。

つまり、想定為替レートを厳しめに設定していたり、想定為替レートよりも円安ドル高よりで推移している場合は、その企業の業績予想よりも実際の決算の業績がよくなる可能性があるので注目する価値があると言えるでしょう。

もちろん輸出している商圏によってはドル円のみならずユーロであったり、他の通貨の場合もあるのでその点はチェックする必要があります。

また、輸出先の割合と業績に与える影響も加味する必要があります。

企業によっては、想定為替レートを発表していないところもあります。

その様な時は企業のIRに電話して聞くというのも一つの手です。

IRとは

IRとはinvestor relationsの略で、インベスター・リレーションズのことになります。

企業の活動を株主などの投資家に対して情報提供する広報の役割を担っている部署です。

したがって、想定為替レートが掲載されていなかったり、その他投資に関して必要な情報をディスククローズして欲しい場合はIRに電話すると良いかもしれません。

まとめ

この様に、為替と株価は密接に影響しています。

したがって、為替の動向を掴み、企業の業績予想と想定為替レートの隙間を狙った投資を行うことで、より勝率の高い投資を実現することが可能となります。

この辺りを参考に投資戦略を立案してみると良いかもしれません。